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2019.02.24

竈下土のお話

こんにちは

成田の漢方薬局 下田康生堂です

 

前回挙げた内容に書いてあった「竈下土」ってなんですか?と質問がありましたので今回はそちらの解説をさせていただきます

 

「竈下土」は字の通り土ガマ底の黄土でありまして、長年薪でいぶしやかれたものになります。

生薬名は伏竜肝(ぶくりゅうかん)と言います。

今は炭火で焼いたレンガ片で代用しているものが多いそうです。

 

日本では使うことはあまりないのかなと思いますが、生薬問屋さんの取り扱い商品一覧には載っているので需要があるものと思います

伏龍は臥龍と同義であり、天にも昇る能力を持ちながら寝ている龍、すなわち優れた能力がありながら世に知られていない人物を意味しています。

三国志時代の蜀の諸葛孔明はその才能ゆえ幼少期に伏龍と呼ばれていたそうです。

日本もそうですが、中国でも古くからかまど神の信仰があり、伏龍肝という名前はかまどの神を伏龍になぞらえて命名されたと陶弘景は記しています

 

悪阻によく使われる処方に小半夏加茯苓湯がありますが、伏龍肝を加えるか伏龍肝を溶いた上澄み液で煎じるとより強い効果が期待できるともいわれております。

 

漢方薬の知恵は本当に凄いものです