症状別の
漢方
症状一覧
- 不妊症
- 生理痛
- 生理不順
- 月経前症候群
- 子宮筋腫
- 更年期
- 冷え性
- ニキビ
- 帯状疱疹
- 蕁麻疹
- ダイエット
- 腹痛
- 下痢
- 便秘
- 痔
- 腰痛
- のぼせ・ほてり
- めまい
- 花粉症
- 咳
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 動悸
- 疲れ目
- 耳鳴り
- 疲労倦怠感
- 円形脱毛症
- 腰痛
- 関節リウマチ
- がん
不妊症
不妊症とは妊娠を希望し、一年間夫婦生活を行っているにも関わらず妊娠が成立しない場合をいいます。不妊症の原因は41%が女性側、24%が女性男性ともにあり、24%が男性側、11%が原因不明となっています。
女性の妊娠に深くかかわる卵巣には、排卵によって月経の周期を整え、妊娠をサポートする、女性ホルモンを分泌して女性らしい身体を作る、気持ちをコントロールして精神を安定させる、といった女性の健康に深く関わる大切な働きがあります。
卵巣の働きが活発に動き始めるのは平均10歳ごろ。この時期から女性ホルモンの分泌が盛んになり、12歳前後で初潮を迎えます。
10代後半にかけて月経周期が安定すると、20〜30代で卵巣の働きは最も活発に。その後、40代に入ると卵巣の働きは少しずつ衰え初め、やがて閉経、更年期を迎えます。
漢方薬で考える不妊症の原因としては腎(卵巣機能・ホルモン系)の機能低下、血(卵巣の栄養分)の不足、血の流れの不良、肝(司令塔)のコントロール不良、脾(消化器系)の動きの低下が挙げられます。
また、卵管炎・無排卵・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)・子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症など不妊症の原因になり得る疾患をお持ちの場合それぞれの疾患のことも考慮して弁証してまいります。
それぞれ適する漢方薬が異なり、八味地黄丸、六味丸などの植物性補腎薬・亀板、鹿茸などの動物性補腎薬・帰脾湯・逍遥散・温経湯・桂枝茯苓丸などをベースに当店ではオーダーメイドでご用意いたします。
生理痛
月経痛はあるのが普通ではなく、ないのが普通というと多くの患者様に驚かれます。テレビでも月経痛のCMが頻繁に流れていることから鎮痛薬でやり過ごすことが一般的になっていますが、根本的な病態を改善することで正常な月経を取り戻すことができます。
中医学では、女性の身体は7年ごとに節目を迎え、変化が現れると考えます。7歳ごろに歯が生え変わり、14歳ごろに初潮、21歳ごろに成熟期を迎えます。月経のリズムも同じように「7」の倍数が基本。個人差はありますが、健康な月経の日数は7日前後、月経の周期は28日(7の4倍)前後が一般的です。
経血の量は多すぎず(多い日の日中2時間をロングナプキンで過ごせる程度)、色は赤色で粘り気や大きな塊がないようなら問題はないでしょう。
このような“健康的な生理”の基本を踏まえると、月経痛がある、周期や日数が乱れる、量や色が気にかかる、といった場合は要チェックです。月経の諸症状は、さまざまな要因で体内の「気」「血(けつ」の働きが乱れることで起こるものなので、自分の体質や体調を見直し、根本的に改善していくことが大切です。
血の流れの停滞・冷えによる血の流れの停滞・血を動かす力の不足など多くの状態があり逍遥散・当帰四逆加呉茱萸生姜湯・桃紅四物湯・桂枝茯苓丸などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
生理不順
女性の心と身体の健康状態は、生理に現れると中医学では考えます。多くの女性が生理周期の乱れを経験するように生理周期は非常にデリケートで、ストレスや睡眠不足など、ちょっとした生活の変化でも乱れてしまうほど。
生理不順は心と身体の健康状態を知るバロメーターと考え、きちんと対処することが大切です。
正常な生理周期は、中医学の考えでは28日が基本となります。ずれがあっても25~38日の周期を維持することが理想的と考えます。一時期な周期の乱れは問題ありませんが、基本の28日より7日以上早くなる、または7日以上遅れる、遅かったり早かったりして周期が安定しない、といった状態が3周期以上続く場合は生理不順と考えます。
月経周期の乱れは、体内の「気」(エネルギー)、「血(けつ)」の不足や流れの停滞、月経と関わりの深い臓腑の機能低下などが主な原因となります。
生理周期が短くなりやすい方は、温清飲・帰脾湯・加味逍遥散・両地湯などをベースに考えます。生理周期が長くなりやすい方は八味地黄丸・十全大補湯・加味逍遥散・二陳湯などをベースに考えます。また、生理周期が安定しない方は逍遥散・左帰丸・右帰丸などをベースに当店ではオーダーメイドで選薬いたします。
月経前症候群
月経の1〜2週間くらい前になると現れる、イライラ、落ち込み、不眠、胸の張り・痛み、下腹部痛、頭痛、むくみといった不快な症状。こうした心身のさまざまな不調を、総称して「PMS(月経前症候群)」と呼びます。
その原因はまだはっきりしていませんが、排卵後の女性ホルモンの変化が関係していると考えられていて、月経が始まると症状が軽くなることも特徴です。
中医学では、一人ひとりに現れる症状によって、その根本原因を考え対処します。イライラや怒り、乳房の張りなどが強く現れる人は、体内の「気」(エネルギー)の巡りが停滞してしまう「気滞(きたい)」が主な原因に。PMSに多く見られるタイプで、日頃からストレスを感じやすい人は注意が必要です。
また、下腹部の痛み、頭痛など痛みの症状が強い人は「瘀血(おけつ)」(血行障害)、むくみや体重の増加などが目立つ人は「水滞(すいたい)」(余分な水分の停滞)の状態が、それぞれ不調を引き起こす要因に。その他、体内の気・血が不足している「虚弱」タイプの人は、疲労感や倦怠感、不眠などの症状が起こりやすくなります。
逍遥散・柴胡疎肝散・五積散・小柴胡湯・当帰芍薬散などをベースに当店ではオーダーメイドで選薬いたします。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍。数や大きさはさまざまで、発生する部位によって、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」、子宮の外側にできる「漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)」、子宮の内側にできる「粘膜下筋腫」に分けられます。
その原因ははっきりしていませんが、筋腫は女性ホルモンの影響で大きくなるため、閉経後には自然と小さくなります。
代表的な症状は、月経量の増加と月経痛。その他、不正出血、貧血、頻尿、腰痛などの症状も多く見られます。ただし、症状は筋腫ができた部位によってまちまちで、子宮の内側にできると小さくても症状が強く、反対に、外側にできると相当大きくなっても症状が現れないこともあります。
いずれにしても、子宮筋腫は不妊や流産などの原因にもなるので、症状に合わせてきちんと対処することが大切です。
中医学では、子宮筋腫などの「しこり」の症状は、「瘀血(おけつ)」(血行不良)が主な原因と考えます。そのため、対処の方法は滞った血の巡りをスムーズに整えることが基本となります。
また、瘀血の原因となる「気」(エネルギー)の停滞、身体の冷え、体内の気血不足なども、合わせて改善していきます。
桂枝茯苓丸・血府逐瘀湯・温経湯・排膿散及湯などをベースに当店ではオーダーメイドで選薬いたします。
更年期
西洋医学では更年期は閉経の前後5年間(45~55歳ごろ)とされ、この時期に入ると女性は卵巣の機能が衰えはじめ、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が低下していきます。
これが、更年期に現れる不調の原因のひとつと考えられています。
中医学では、こうした更年期症状の根本原因を「腎」の衰えと考えます。腎は年齢に深く関わる臓腑であり、発育や生殖などの機能と深く関わっています。
「腎」の力は女性の場合7の倍数で変化し、更年期症状の出やすい年齢ですと腎の力のピークである頂上からは下った状態になっています。そのため、加齢によって腎の機能が衰えると、ホルモンの失調などが起こりやすくなると考えます。
また、腎は全身の陰陽(体を温める働き・冷ます働き)をコントロールする働きがあるため、その機能が低下すると身体を温めたり熱を冷ましたりといった働きがうまく行えなくなってきます。そのような状態がホットフラッシュや冷えのぼせといった更年期症状の一つになってきます。
また、腎の機能失調により、腎と深く関わる「肝」や「心」に不調が現れることもあります。
肝や心にはストレスや精神状態をコントロールする働きがあり、その機能が低下するとイライラや憂鬱、不眠といった精神的な不調も起こりやすくなります。
加味逍遥散・女神散・桂枝茯苓丸・八味地黄丸・知柏地黄丸などをベースに当店ではオーダーメイドで選薬いたします。
冷え性
冷えは万病のもと。冷え性とは、体のどこかに冷えを自覚し、不快感や苦痛を感じることをいいます。
最近は生活習慣の変化から、「冷え性」は季節や年代を問わず冷えを訴える人が増えているといいます。現代の生活スタイルには、過度のダイエット、身体を冷やす食生活、運動不足、薄着のファッションなど、冷えの誘因がたくさん潜んでいます。
冷え性は病気ではありませんが、頭痛や肩こり・生理痛などのつらい症状を伴うこともあります。また、免疫力の低下にもつながることから、中医学では冷えを「万病のもと」と捉え、その改善をとても大切にしています。
冷え性にはさまざまなタイプがあるので、体内に潜む原因を見つけ出ししっかりと改善していきましょう。
冷え性で多く見られるのは「瘀血(おけつ)」による冷え。血行が悪くなり、身体の末端まで血液が行き渡らず手足などに冷えを感じます。生理痛、生理不順などを伴うケースも多くみられます。そのほか、身体を温める陽気が不足したり、気血が不足したりすることも冷えの主な原因となります。
右帰丸・人参湯・牛車腎気丸・温経湯などお体を温める漢方薬以外にも桂枝茯苓丸・逍遥散などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
ニキビ
ニキビの一番の原因は思春期または更年期に伴う体内アンドロゲンの増加またはエストロゲンの減少による相対的なアンドロゲン増加により皮脂腺の分泌亢進が起こり、増加した皮脂が毛包内に溜まり隆起するものになります。その他、皮脂腺の分泌を阻害された際にも生じます。
漢方薬の考え方では体内に熱が溜まりやすい方起こりやすく、肺熱・胃熱・熱毒などがあり、瘀血を持っている状態で湿熱が加わることでニキビが現れる方もおります。
清上防風湯・荊芥連翹湯・十味敗毒湯・加味逍遙散などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
帯状疱疹
帯状疱疹は中医学では蛇串瘡、蛇丹などという別名がつけられております。
小児期に罹患した帯状疱疹ウイルスが大人になり再活性化したものになりますが、体の半側に発症するのが特徴です。中医学では湿毒、火毒、瘀滞、が原因と考えます。
湿毒では真珠のような水泡が現れます。火毒では栗をまいたような皮疹を生じます。瘀滞では刺されるような痛みが特徴です。
薏仁赤小豆湯・竜胆瀉肝湯・金鈴子散などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
蕁麻疹
蕁麻疹は風隠疹とも呼ばれ、春秋時代から多くの人を悩ませていたようです。扁平に隆起した紅斑様の膨疹を特徴とする急性の皮膚疾患になります。
強い痒みを伴い、皮疹は食物・薬物・生活環境物質・ウイルスなどが原因となってきます。その他心因性蕁麻疹・寒冷蕁麻疹などもあります。蕁麻疹の原因は必ず「風ふう」と関係し、多くの内因外因が原因となってきます。
熱感刺激で悪化・相互に融合する風熱、皮疹が白い・温めると症状が軽減する風寒、発汗後・風に当たると悪化する衛外不固、再発を繰り返しやすい気血両虚など多くの証があります。
銀翹散・麻黄湯・玉屏風散・八珍湯・皮炎湯などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
ダイエット
ダイエットは、肥満を予防し、健康を保つことが本来の目的になります。
痩せるためだけに過剰な食事制限などをすると、体力も落ち、貧血や月経異常、骨粗しょう症、肌荒れ、抜け毛といったさまざまな不調を招いてしまうので注意が必要です。
また、自分では太り過ぎと感じていても、実際には標準的な体重というケースも少なくありません。まずは自分の適正体重を知り、肥満気味かなと感じたら、無理をせず健康的に体重を落とすよう心がけましょう。
中医学では、肥満は食べ過ぎや運動不足のほか、内臓機能に問題がある状態と考えます。
そのため、ダイエットをするときも、まず太る原因となっている不調を改善し、体の中を健やかに整えることが基本になります。
人間の基礎代謝の70%は内臓が占めていると言われています。
基礎代謝が上がれば睡眠中でもカロリーが消費されていることになります。
防已黄耆湯・防風通聖散・大柴胡湯など代表的な漢方薬だけでなく六君子湯・逍遥散・桂枝茯苓丸などをベースに当店ではオーダーメイドで選薬いたします。
腹痛
頭痛にはさまざまな症状があり、そのタイプは大きく二つに分けられます。ひとつは、風邪(ふうじゃ)や湿気など身体の外から入ってくる邪気の影響で起こる「急性の頭痛」で、ズキズキ、ガンガンする強い痛みが特徴。もう一つは、キリキリと刺すような痛みや、重く締め付けられるような痛みが多い「慢性の頭痛」で、一般に多く見られる偏頭痛などは、後者のタイプにあたります。
中医学では、こうした頭痛の主な原因は「不通則痛(ふつうそくつう)」によるものと考えます。これは、体内に詰まりが発生して気や血の流れが悪くなり、痛みの症状が発生するということ。頭痛の主な原因も気・血の停滞によるもので、ドロドロ血や水分代謝の低下、ストレスなどがその要因となります。
また、脳にとって大切な陽気(ようき:身体を温めるエネルギー源)や血(栄養素)が不足することで、頭痛が起きることも。こうした状態を「不栄則痛(ふえいそくつう)」といいます。
また、頭痛の場所と臓腑には関連性があり、頚頂部〜後頭部の痛みは太陽頭痛、こめかみ〜側頭部は少陽頭痛、前額部は陽明頭痛、頭頂部は厥陰頭痛と呼び、それぞれの部位で用いる生薬が異なってきます。
川芎茶調散・天麻釣藤飲・半夏白朮天麻湯・桂枝茯苓丸などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
下痢
下痢には出るとスッキリする「泄瀉」と便を出した後も腹がしぶる「痢疾」があります。また急激に起こる急性の下痢、反復し慢性化している下痢があります。
健康な便の水分量は70〜80%程度と言われ、それより多いと軟便、90%を超えると下痢(水様便)になってしまいます。
慢性的な下痢の多くは脾虚(消化管での吸収が低下している状態)が多く、脾陽虚・肝気横逆・腎陽虚などの原因が考えられます。
参苓白朮散・啓脾湯・人参湯・通瀉要方・小建中湯などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
便秘
排便は健康のバロメーターです。中医学の古典にも「一日一便」という記載があり、毎日排便があれば身体も健やかに保たれると考えます。
実際には、排便には個人差があり、人によっては一日に数回排便があったり、2~3日に1回のペースだったり、ということも。毎日排便がなくても、お腹の不調や排便の苦痛などを感じなければ便秘ではありません。
反対に、何日も排便がなくお腹に張りを感じる、毎日排便はあるものの排便が困難だったり苦痛を感じたりする、といった場合は便秘にあたります。
中医学では、こうした便秘の症状を大きく2つのタイプに分けて考えます。
1つは体内に余分なものが溜まり過ぎてしまう「実証タイプ」の便秘。“身体に熱がこもり、便が乾燥して硬くなる”“過剰なストレスで便通が悪くなる”といった症状が現れます。
もう1つは、身体に必要なものが足りていない「虚証(きょしょう)タイプ」の便秘。体内の「陽気」(エネルギー)が足りず、「脾胃(ひい)」(胃腸)の不調や冷えから便秘になったり、体内の「血」が不足して、潤い不足から便が乾燥したり、といった症状が現れます。
実証タイプには大黄甘草湯・大承気湯・大柴胡湯など虚証タイプには潤腸丸・麻子仁丸・五仁丸などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
痔
痔は性別や年齢を問わず、誰でも患う可能性がある身近な病気です。命に関わるような疾患ではありませんが、痛みや出血のある不快な状態が続くと症状が生活の質を著しく損ねてしまいます。
悪化する前に、早めの対処で改善することが大切です。
痔のタイプは大きく分けて3種類。肛門の内部や外側にいぼ状の腫れができる「いぼ痔」(痔核)、肛門の皮膚が切れる「きれ痔」(裂肛)、肛門内部に膿が溜まり、おしりに膿の出る穴ができる「あな痔」(痔ろう)があります。
中医学では、こうした痔の症状は、体内に溜まった「湿(しつ)」(余分な水分や汚れ)や「熱」、肛門部の「瘀血(おけつ)」(血行不良)が主な原因と考えます。
飲み過ぎ、食べ過ぎなどによって体内に湿・熱が溜まると、「脾胃(ひい)」(胃腸)の不調を招いて下痢や便秘になり、これが痔の原因になります。
また、慢性的な便秘や下痢、妊娠・出産、座りっぱなし・立ちっぱなしの状態などは、肛門部を圧迫して瘀血を起こす原因となります。
こうした肛門部の瘀血が痔につながる他、身体全体の瘀血は便秘の原因にもなるため、中医学では痔と瘀血に密接な関係があると考えます。
乙字湯・大黄牡丹皮湯・桂枝茯苓丸などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
腰痛
腹痛はお臍周りの痛み、下腹部中央の痛み、下腹部両側の痛み、慢性的、急性的に大別されます。
お腹全体が痛み冷えると悪化する虚冷の腹痛、お腹全体が痛み引き攣るような脾虚肝乗の腹痛、ストレスなどでお腹全体が痛む肝鬱気滞の腹痛、下腹部が引き攣るように痛む寒疝の腹痛、お腹がはり便秘を伴う下腹部が痛くなる熱積の腹痛、下腹部に刺されたような痛みを感じる瘀血による腹痛などがあります。
人参湯・黄耆建中湯・加味逍遙散・大柴胡湯・通導散などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
のぼせ・ほてり
のぼせ、ほてりは体のある部分に熱感を自覚することで、周りから見ても紅潮や熱気を感じる場合もあります。
顔面部や顔上部への熱気の上昇はのぼせ、頬や手の平、足の裏など固定部位に現れる熱感をほてりと言います。のぼせとほてりが同時に現れるケースや片方しか現れないケースなどもあります。
反復するのぼせ、ほてり、紅潮などは肝が原因のケースが多く、上半身ののぼせ、下半身の冷えなどは瘀血(血流の不全)、午後からのほてり、のぼせ、熱感などは陰虚が原因になっていることが多くみられます。
加味逍遙散・桂枝茯苓丸・女神散・知柏地黄丸などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたます。
めまい
めまいの中には回転性のめまいに嘔吐を伴い意識を失うものから、立ちくらみ程度で済む軽いものまで様々あります。
漢方薬では揺れ動くような症状を「風」と言い、体の中の原因で生まれる風を「内風」と考えます。
回転性の強いめまいの多くは「痰」と「風」が原因になっているケースが多く、生活習慣の影響により生まれた「痰」が頭部にたまり生じる痰濁上擾、ストレスなどにより体内で内風が生まれ、痰と内風が頭部に上がり生じた風痰上擾、熱と痰がともに頭部に上がり生じた痰熱上擾など多くの原因によりめまいは引き起こされます。
半夏白朮天麻湯・温胆湯・天麻釣藤飲などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
花粉症
花粉症は、自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が花粉を連れて身体に入り込むことで起こる症状と考えます。身体の抵抗力が足りない体質の人(「気虚(ききょ)」体質と呼びます)は、風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、花粉症の症状も強く出やすいので気をつけて。
特に注意したいのは、呼吸器系が弱い「肺気虚(はいききょ)」、消化器系が弱い「脾気虚(ひききょ)」の人。「肺」の働きが弱くなると、邪気の侵入を防ぐ鼻や皮膚の防衛機能が低下します。その結果、風邪(ふうじゃ)が侵入しやすく、花粉症にかかりやすい状態に。また、消化器系(「脾胃」)が弱くなると水分代謝の悪化を招き、多量の鼻水、鼻づまりといった不調が起こりやすくなります。
鼻は肺竅であり、鼻水などは肺の病変ではありますが、上記のように脾胃の機能低下によって生じるケースも多々見られます。
小青竜湯・辛夷清肺湯・苓桂朮甘湯・苓甘姜味辛夏仁湯などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
咳
咳は「嬌臓きょうぞう(華奢な臓腑)」と呼ばれる肺の病変と考えます。
嬌臓と言われるぐらい肺は刺激に弱くほんのわずかなきっかけで咳を引き起こしてしまいます。
中医学では、咳の症状は慢性的な咳なのか急性の咳なのかで対処方法が大きく変わってきます。
西洋医学的なケアがあまり効果を発揮しない慢性的な咳の場合ですと、ネバネバした「痰」が原因になっているケース、肺の機能低下のケース、肺と生命の根源である腎がともに弱くなっているケース、精神的抑うつ感によって肺に影響を及ぼしているケースなどが考えられます。
痰の色、量、咳の状態などを参考にその方の状態を分析していきます。
咳は、基本的にはウイルスや花粉などの異物を身体から追い出すために起こる大切な防衛反応の一つですので、むやみに止めてしまうのはあまり良くないとされています。しかし、咳は一度続くとなかなか止まりにくく、悪化すると肺炎や喘息などの重い症状につながることも。また、症状の慢性化は睡眠不足や体力の消耗を招き、全身の健康状態に影響することも少なくありません。そのため、初期の段階できちんと対応し、悪化させないことが大切です。
当店では半夏厚朴湯・清金化痰湯・滋陰至宝湯・百合固金丸・麦門冬湯などをベースにオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
食欲不振
食欲不振は消化器系である脾胃だけではなく、自律神経系に相当する肝の関わりも非常に大きくなってきます。
空腹感がない、食べられない、食べたくない、味がしない、消化が悪く持たれた感覚が続くなど多くの症状がありますが、それぞれ病態が異なってきます。
お腹が空かない方は脾の問題、食べられないのは胃の問題、お腹も空かず、食べれない方は脾胃の問題など症状によってケアしていく箇所が異なります。
四君子湯・啓脾湯・逍遙散・小柴胡湯・香砂六君子湯・胃苓湯などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
睡眠障害
睡眠障害には、寝つきが悪い、すぐに目覚めてしまう、夢ばかり見ていて熟睡感がない、一睡もできないなどがあります。
中医学では、こうした不眠の症状を五臓の「心(しん)」の不調と考えます。
安静になるべき夜に心神が乱されると、睡眠障害が発生します。
心は、精神を安定させる「血(けつ)」の流れをコントロールし、精神活動の中枢を担う臓器。そのため、心の血が不足すると、精神が不安定になり不眠の症状が現れるのです。また、血を蓄える「肝(かん)」、血を生む源となる「脾胃(ひい)」(胃腸)の不調も、不眠の要因となるので注意が必要です。その他、更年期や加齢、暴飲暴食など不眠の原因はさまざま。不眠が続くと身体の不調にもつながるので、原因を早めに取り除き、質の良い睡眠を取れる体質づくりを心がけましょう。
清心蓮心飲・枳実導滞丸・温胆湯・酸棗仁湯・黄蓮阿膠湯などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
動悸
動悸は、心臓の拍動をドキドキと速く、または強く感じたり、脈拍が乱れ、多くは不安感を伴う症状です。
激しい運動や強い緊張感などによって誰でも感じるものですが、ちょっとした運動や心配ごとなど、ささいなことで頻繁に動悸を感じる場合は、血液を送り出す「心」の働きが低下していると考えられます。
動悸を自覚する場所は様々ですが、心臓部以外にも心窩部やお臍の下などの場合もあります。
中医学では動悸は「心悸」と呼びますが、「驚悸」と「征忡」に大別されます。一般的には驚悸は軽症であり、征忡は重症と考えます。
このような動悸の症状は、「瘀血(おけつ)」(血行不良)「心陰不足」(心の栄養失調)や過度なストレス、不安感、身体の疲労、食事の不摂生など、日頃の生活習慣や心身の不調が動悸の大きな原因になってきます。
心臓は生命を維持するために絶えず動いている臓器で、その拍動は、早くても遅くても乱れても、さまざまな不調につながる可能性があります。
動悸の症状を頻繁に感じたら、まず"心身の不調を知らせるサイン"と捉え、身体全体を整えながら「心」の不調を改善していきましょう。
人参養栄湯・帰脾湯・安神定志丸・二陳湯・竹筎温胆湯などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
疲れ目
現代病の一つとされる「スマホ疲れ目」は、スマートフォンなどの小さい文字を近くで見続けることで、目の筋肉が凝り固まってしまうことが主な原因に。その結果、ピント調節がスムーズにできなくなり、疲れ目・かすみ目と同じような症状が現れます。
こうした目の不調は、まず五臓の「肝(かん)」を養うことを基本に予防・改善していきます。
肝は目の栄養分となる「血(けつ)」を貯蔵し、全身を巡る血量をコントロールする臓腑です。そのため、スマホの使い過ぎなどで目を酷使すると、肝血を消耗して肝の機能が低下しがちになります。その結果、目に十分な血が行き届かず、栄養や潤いが不足して不調が起こりやすくなるのです。また、過剰なストレスによる肝の機能低下、慢性的な気血不足なども、目のトラブルを引き起こす要因となるので注意が必要です。
スマホ疲れ目の症状は病気ではありませんので多くの方が放置しがちです。
当店では血を補う四物湯や四逆散や飲む目薬と言われる杞菊地黄丸などをベースにオーダーメイドでご用意いたします。
耳鳴り
耳鳴りは外からの音がないのに耳中で音が聞こえることで、蝉の鳴き声・金属音・音の大小など様々です。
一般的に高い音・大きい音は急性で実証、低い音・小さい音は慢性で虚証と考えていきます。
中医学では「耳は清らかな陽気が体内を上昇するときに通過する穴」とされていて、体内に陽気が満ちていれば、耳の働きも安定しやすくなると考えます。そのため、疲労や老化によって陽気が不足したり、ストレスで陽気の流れが悪くなったりすると、耳の働きにも影響してさまざまなトラブルにつながってきます。
耳鳴りは難聴(耳聾)になる前の段階で現れる症状でもあり、長く続くと聴力にも影響するため注意が必要です。耳鳴りの段階で積極的に対策し、耳聾を予防するようにしましょう。
小柴胡湯・四逆散・竜胆瀉肝湯・耳鳴丸などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
疲労倦怠感
なんとなく体がだるい・重い、朝なかなか起きられない、やる気が出ない…
疲労倦怠感とは疲れ、無力感、倦怠感を自覚することを言います。
疲労を感じる大きな要因となるのは、過度な運動や労働といった肉体的ストレス、精神的ストレス、暑さ寒さといった環境ストレスなど。こうした負荷によって体がダメージを受けると、私たちは「疲れた」と自覚することで休息を取り、心身の元気を回復させているのです。つまり、疲労は体が「休み」を必要としているサイン。無理をせず、しっかり休んで身体をケアすることが大切です。
中医学では、慢性疲労は、体内のエネルギーが不足する「気虚(ききょ)」、体の栄養物質が不足する「血虚(けっきょ)」、生命エネルギーが衰える「腎虚」などが主な要因と考えます。
右帰丸・六君子湯・人参湯・補中益気湯・十全大補湯・帰脾湯などをベースに当店ではオーダーメイドでご用意いたします。
円形脱毛症
円形脱毛症は油風と呼ばれ、「油風は血虚のため、気とともに肌膚を栄養できない・・・」と明の時代に書かれた書籍に記載があります。
漢方薬では髪の毛は「血けつ」の余りと考えます。そのため血虚になると頭髪の脱落などが生じると考えます。その他、心の問題による脱毛も多く見られます。
不安感を伴い、突然脱毛する血虚生風、産後・病後に脱毛する気血両虚などの証があります。
四物湯・八珍湯・七宝美髪丹などをベースに当店ではオーダーメイドで漢方薬をご用意いたします。
腰痛
慢性的な腰痛はX線検査で明らかな異常が認めらず、形態上も変化が見られないものになります。
腎虚により筋や骨が弱くなった内因の腰痛、風寒湿邪の体内への侵入や外傷などの外因が考えれます。
年齢的が原因の場合は加齢に伴い腎の力が弱くなり腰部の筋や骨が虚の状態になり、腰痛が起こりやすくなってきます。
また「通じざれば則ち痛む」という考え方があるように、経絡の気血の運行が阻害されると気滞血瘀の状態になり痛みが現れることもあります。
調栄活絡飲・独活寄生湯・右帰丸・左帰丸などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
関節リウマチ
関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、男女比が1対4と女性に多く、働き盛りである30〜50歳は発祥のピークとなります。
発症から1、2年で自然寛解する方もおりますが、多くは良くなったり悪くなったりを繰り返しながら徐々に関節破壊が進んでいきます。
現在医学では非ステロイド性抗炎症薬やステロイド、抗リウマチ薬、生物学的製剤などを使っていきますが、副作用が問題となってきます。
漢方薬では痺証や歴節病の範囲に属し、理論立てた治療が可能になり、現代医学による副作用の軽減、使用量の軽減などが十分期待できます。
白虎桂枝湯・薏苡仁湯・桂枝芍薬知母湯などをベースに当店ではオーダーメイドでお客様の状態に合わせて選薬いたします。
がん
がん治療に関して、大原則として西洋医学と併用していくことが漢方がん治療の鉄則になりますが、漢方がん治療はがんの統合医療の一環として非常に有効であることは間違いのない事実です。
多くのがん患者は「がん」と診断されると手術を受けられる状況であれば、手術を選択し、その他放射線治療や抗がん剤治療などを選択すると思います。
漢方薬は、体の免疫力を高め、がんの増殖を抑制し、手術前後の体力回復を図ることができます。また西洋医学の副作用を軽減させ、食欲・睡眠・不安感などの気分を改善することが認められています。つまりがん患者の生活の質を上げ、苦痛の軽減、生存期間の延長に非常に効果的であると考えることができます。
実際に今現在使用されている抗がん剤にも漢方原料である生薬から成分を抽出したものが使用されております。また最新の研究により、免疫力を高める生薬として冬虫夏草・人参・黄耆・霊芝・茯苓・枸杞など。がん細胞を抑制する生薬として莪朮・蟾酥・青黛などが臨床上非常に有効なエビデンスとして発表されております。