こんにちは
成田の漢方薬局 下田康生堂です。
衝任と肝の関係性
漢方薬で婦人科治療を行う際には衝脈(しょうみゃく)と任脈(にんみゃく)を考えていく必要があります。
唐容川は「医経精義」にて
「逆証は衝脈の気が上逆したことによって起こる、頭・目・咽頭・胸が侵されるのは、心肝の火が衝脈を挟んで上昇するからである」
と述べています。
また、葉天士は
「衝脈が上逆して胃を犯せば、嘔吐が起きる」
と述べています。
肝は血を蔵し、衝脈は血海であるので、肝の蔵血作用は血海にも大きな影響を与えます。
また肝は伸びやかな性質を好み、塞ぎ込みやすいので、肝が滞れば気滞血瘀となり、衝脈を傷つけ、子宮の癥瘕を引き起こしてしまいます。また肝が塞ぎ込んだ肝鬱状態は長く続くと火に変化し、悪阻などの原因にもなります。
女子は肝を以て本と為す、女子は血を以て本と為すという言葉があるように、女性の生理機能にとって肝と血は斬っても切り離せない関係があります。
肝の状態をケアすることは妊娠する上で非常に重要になってきますね。