月経時の出血量が少ない方について
正常な生理をご存知でしょうか?
正常 | 異常 | |
月経開始年齢 | 12歳ごろ | 早発月経・遅発月経 |
月経血量 | 50〜150cc | 過少月経・過多月経 |
凝血(塊) | なし | あり |
周期 | 25〜38日(変動が6日以内) | 稀発月経、頻発月経 |
持続日数 | 3〜7日以内 | 過短月経、過長月経 |
排卵 | あり | なし |
月経障害 | なし〜軽度 | 月経困難症、月経前症候群 |
月経周期は順調なのに出血量が20mlより少ない方、または出血が2日未満で終わってしまう方は過少月経の可能性があります。
*一般的な月経は多い日で2~3時間で昼用ナプキンを取り換えるくらいが目安です。
西洋医学で考えますと月経の量が少なくなる原因として、ホルモン分泌の乱れ・子宮の器質的要因によるものがあると考えます。
ホルモン分泌の乱れによるものとしては「多嚢胞性卵巣症候群」「甲状腺疾患」「脳下垂体の異常」などが挙げらます。
器質的要因としては「子宮腔内の癒着」「子宮の発育不全」などの病態が挙げられます。
病院の検査で上記の疾患が否定され、お子様をご希望される場合の出血量の少なさは「子宮内膜が薄い場合」と「子宮内膜が十分はがれない場合」が考えられます。
こちらは共に不妊症の原因となる可能性があります。
古くに書かれた医学書、月水不調候には「月水・・・・たちまち少なくなる」(月水は月経を意味します)という記載があります。当時から過少月経を注意していたことが伺えます。
血虚による過少月経
出血の量や色、塊の有無 | 出血量が少ないまたは数滴、色が淡くサラサラしている |
その他 | めまい、動悸、下腹部に軽めの持続的な痛みがある、視界がかすみやすい |
といった特徴があります。
ざっくりと言うと体の栄養不足である血虚。
様々な場所が栄養不足になり、めまいや目のかすみ、動悸などが現れてしまいます。
婦人科系の子宮や卵巣が栄養不足になることで出血量も少なくなってしまいます。
そのため、血虚による過少月経の場合は養血、調経の漢方薬を中心に使用していくことになります。
代表的な漢方薬として
滋血湯があります。
人参 | 茯苓 | 熟地黄 | 川芎 | 当帰 | 白芍 | 山薬 | 黄耆 |
経血が少ないほうが不快感は少ないから快適 ♪ などと決して思わないでくださいね。
月経時の出血量が少ない方は体に負担の少ない漢方薬で治療することもできますのでお気軽にご相談くださいね。